7月18日の6周年記念ライブをよりいっそう楽しむためのインタビューを全4回にわたりお届け。ライブに向けての意気込みや、現在の心境をmitsuが語ります。
第3回:この4ヶ月間はどう過ごしていた?
苦しかったな。「え?どこまでいくの?」ってぐらい落ちていった。毎日どこか変だった。起きたらすでに憂鬱な気分。たまに気分が上がっても5分後にはまた落ちる。ほんと、息継ぎする瞬間っていうぐらいの短い時間しか上がらない。
ちょっと不思議なんだよね。今も「超元気だよ!」っていう感じではないんだけど、なんであんなに落ちてたんだろう。周りにも頼れなかったし、自己嫌悪も酷かった。大変な時は周りの人に言えばいいのに、それもできなかった。誰にも頼りたくなくて。
作品創りに飢えているのは間違いないから、落ちている期間も思いついた言葉を記録に残したり、浮かんだメロディーを録音したりしてたんだけど、今聴き返すとものすごく暗い(笑)
周りの声とか言葉とかもうるさく感じちゃってて、自分の感情もうっとおしく感じてた。こういうことを言うと、弱さをアピールする媚び売りみたいな感じがして、嫌だなって思ってた。でも、これをきちんと形にするのは、創作に飢えている今だからこそできる。その気持ちを作品にしようって思うのは健全な行為かなって。
オンラインライブって形として残るから、ライブも作品なんだと考えるようになった。この1年間で、曲作りとライブは違うものだと考える必要はないと思うようになった。どちらもmitsuの活動には変わりないし。
今回のライブは、ちょっと変な意味で楽しみだなって思ってる。どうなるかわからないドキドキじゃなくて、すごく明確にテーマを作れたから、ライブへのビジョンがはっきりしている。こういうライブになるんだろうなって想定があって、その通りになるかなってワクワクしてる感じ。
「“光”を見つけたって思いたかった」という気持ちについては、実はまだ消えてない。こういうネガティブも含めて、自分の感情を形にしていく行為によって、俺自身が救われる瞬間に出会えるんじゃないかって考えてる。
そうは言っても、ライブのイメージはできてるけど、終わった後の感情はイメージできてないんだよね。もしかしたらまためっちゃ落ちるのかもしれないし、裏側を出してよかったのか?って悩むかもしれない。
うまくいくかどうかわからないものをやりたくなっちゃってるんだと思う。スリルというか。ライブの準備はちゃんと進めてるけど、もしかしたら「えっ、これ?」っていうものが出来上がるかもしれない。今までのライブはどれも「ちゃんとやる」っていう意識で組み立ててきたけど、今回のは「ちゃんとやった結果、ちゃんとしたものができた にはならない可能性がある」って思ってる。ちょっと怖いからこそ、楽しみ。今までにない感覚だな。
特にオンラインライブだからスリルが増す。もしかしたら、今後自分が落ちた時に毎回見るようなライブになるかもしれないし、二度と見たくないライブになるのかもしれない(笑)
俺の願いとしては、今回のこのチャレンジが上手くいったら「俺は落ちてる時でも活動できる」っていう確認になるから、そうなったらいいな。今まで受け入れられなかった「落ちてる自分」を、受け入れられるようになれたらなって。
体を鍛えるのはずっと続けてた。感情はコントロールしきれない部分があるけど、肉体は制御できるはずだと思いたくて、トレーニングしていた。肉体も感情も制御できなかったら、それは赤ちゃんだから。赤ちゃんは可愛いからいいけど、俺はもう可愛くないから(笑)
それに、不安だったから肉体に頼った。歌えない時間が続いてしまって、「歌えない」ということは、俺にとっては「生きてない」になっちゃう。気持ちが上がっていようが下がっていようが、いつでも歌える体を作っておくためにも鍛えてたかな。
歌う機会がまったく無かった訳ではなないけど、ライブは少し久しぶりだし、落ちてた期間を超えてからどんな歌を歌うんだろうって、自分でも楽しみ。
歌が変わってきたなっていう自覚もある。フィジカルの変化もあるけど、溜めてた感情をぶちまけるっていう感覚があって、歌に変化が起きているのかも。ぐっと制御してた感情をぶちまける。その結果がどうなるかわからないからスリルを感じる。どうなるかわからないけど、それも俺だな!って。枷を外す感じ。
■LIVE INFORMATION
2021年7月18日(日)
mitsu 6th anniversary online live
「DEEP LAYER」
時間:OPEN 19:25 / START 19:30
チケット購入:https://twitcasting.tv/neu_mitsu/shopcart/83326
Interview:Kanako Itagaki
Photo:Masumi Sakuramoto