7月18日の6周年記念ライブをよりいっそう楽しむためのインタビューを全4回にわたりお届け。ライブに向けての意気込みや、現在の心境をmitsuが語ります。
3月2日 みつの日ライブ「TRIAL」後の心境
3月2日の「TRIAL」が終わった時は希望に溢れていた。久々に、“光”を見つけたんだっていう気持ちになってた。「TRIAL」っていうタイトルどおりみんなで試行錯誤して、mitsuの新しい道が見つかったなぁって思って、これからいろいろと動かしていこうと思っていた。その2週間後ぐらいかな。きちんと時系列で覚えているかっていうと怪しいんだけど、その光が曇っていった。
どちらかというと、光に縋っていたのかもしれない。光を見つけたって思いたかったのかな。今振り返ると、どうしてもその“光”を逃したくないっていう気持ちが強かったのかもしれない。直接的な原因があったわけじゃないけど、どんどん息が詰まっていく感じになってしまった。
自分を取り巻く環境とか物事に対して、疑問に思ってしまうことが多くなって、周りのせいにする瞬間が増えていた。自分自身についても「全然ダメだ」って思うことが増えて、気付けば海の底にいた気分。光を見つけたと思いたいって強く願えば願うほど、本当の自分の心と正反対の状態になってしまって、「こうしなきゃいけない」っていう意識ばかり募ってた。
だいぶ深いところに落ちちゃって、周りの声が届いててもよくわからない状態。暗くて独りだった。1年以上前からコロナ禍で「やりたいことができないね」って何回も話してきたのに、多分、その中でも久しぶりに底の底まで落ちてしまった。だいたい2ヶ月ぐらいはそんな感じだった。俺自身の見えてる世界がすごく狭くなってたと思う。
そんな状態の最中でも、何かをしたいっていう気持ちがあった。作品を創るっていうのに飢えていた。「TRIAL」の時に、もう大丈夫だと思うって言っていたんだけど、いくら向き合ってもできない、でも作品創りたい!って。うまくいかないのに、時間ばかり経っている。やる気と現実との違いにジレンマを感じていて苦しかった。
そうやって時間が過ぎていく間に、海の底で真っ暗だと思ってた場所が、周りがちょっと見えるようになってきて、そこに“何か”が存在することに気付いた。その“何か”をしっかり見つめることで、落ち込んでいる気持ちそのものを作品に昇華することができるんじゃないかと思えた。それがアーティストとして、いい姿勢なんじゃないかって、やっと方向転換できた。
それが毎回大事にしていた周年ライブの時期と合致した。作品を創ることに固執しすぎてたから、周年さえも無視しようかと思ってたんだけど、今まで大事にしてきた周年記念ライブを軽んじてしまうようでちょっと気になっていたし、ファンの人たちも周年ライブを期待してくれているんじゃないかなって思った。
今までは強さとか、希望とか、明るさとか元気とか、そういうポジティブなパワーを作品とかライブで表現するのがmitsuのスタンスだと思ってたけど、それを一回壊してみたくなったのかな……。いま感じているこの気持ちを、素直に活動として表現する方向に舵を切ってみた。イメージを壊すためというより、ポジティブじゃない面を見せることによって、誰かの力になる可能性もあるんじゃないかって思ったんだ。
Interview:Kanako Itagaki
Photo:Masumi Sakuramoto
■LIVE INFORMATION
2021年7月18日(日)
mitsu 6th anniversary online live
「DEEP LAYER」
時間:OPEN 19:25 / START 19:30
チケット購入:https://twitcasting.tv/neu_mitsu/shopcart/83326